再生不良性貧血と骨髄バンク登録のお願い

このページはEmiriが再生不良性貧血を患っている経験から、一人でも多くの方に骨髄バンクを今一度認識してもらい登録につながっていただければと思い設けました。 最後まで読んでいただきドナー登録に結びつけばと切に願います。どうか宜しくお願いします。Emiriパパ

 

【Emiriのこと〜再生不良性貧血】
3月に突然劇症肝炎を発症したEmiriでしたが6月には復学できました。しかし翌7月には思っても見なかった再生不良性貧血という聞き慣れない骨髄の病気になってしまいました。 100万人に一人という非常にまれな病気だそうで、極まれに劇症肝炎の後に発症することがあるらしく、その極まれに当てはまってしまいました。 劇症肝炎も再生不良性貧血も国の特定疾患(いわゆる難病)に指定されていまして、そのようなまれな病気に連続してかかってしまうとはなんと不運なことかと思います。 しかしそれを言っても仕方ないので、今は長期の入院覚悟で治療に専念しています。
これまでの経過ですが、肝臓の病院から、血液専門の大学病院に転院しました。再生不良性貧血の確定診断には他の病気を除外する必要があるらしく3週間を要しました。 確定診断後に治療となりましたが、治療には大きく免疫抑制剤による方法と骨髄移植という方法があるそうです。まずはATGという免疫抑制剤をつかった治療を開始しました。 この免疫抑制剤による治療は成功率が7割程度だそうです。逆に言うと3割は反応が乏しく骨髄移植になるそうです。さらに悪いことに劇症肝炎後の再生不良性貧血では さらに成功率が低く5割程度と言われました。つまり五分五分ということです。それでも何もせずに骨髄移植を待つ訳にもいかないので今はこの治療を受けています。 この治療の成否がわかるには3ヶ月はかかるとのことで、じっと我慢の日々がつづきます。
そんな中、今日はさらに悪い知らせがありました。最近の研究では、再生不良性貧血に 免疫抑制剤が効くのは血中のPNHという指標がプラスの場合に著効らしく、逆にマイナスだとほとんど効果がないということがわかって来ているそうです。しかし残念ながら EmiriのPNHはマイナスでした。このまま反応がないかもしれません。そう思うと怖くてしかたなくなります。もし効果がなければ骨髄移植を選択することになりますが ここでも悪い知らせがありました。まず4分の1の確率で一致する可能性あった妹の骨髄の型とは一致しませんでした。さらに母方からもらった型が日本では非常にめずらしい 型だったらしく骨髄バンクで見つかる可能性は低くなりました。日本は島国なので比較的見つかりやすいという説明を受けていたのですが、ここでも裏目に出てしまいました。
以上のような状況であまり好転が見られません。Emiriは、やっと2度目の長期入院に慣れてきましたが、ATG開始の最初の5日間はかなりきつかったと思います。また、白血球が測定限界値以下なので何度も高熱を出したりしています。 骨髄移植は最後の砦ですが、現在の状況では骨髄バンクに頼れるか微妙です。Emiriパパとしてはなんとか骨髄バンクで見つかってほしいという切なる思いです。 また現在の血液の病気と闘っている子供達の小児病棟の様子をしってますますその必要性を強く感じています。

このページでは、血液の病気の現実と小児病棟の様子を知っていただき、骨髄バンクのドナー登録を真剣に検討いただければと思います。 将来的にはドナー登録でEmiriSystem3年間サポート会費不要という制度を作り、育児日記がドナー登録のきっかけになればと思っています。 それはすべてEmiriを元気に連れ戻してからのことになりますが、どうぞ宜しくお願いします。Emiriを、血液の病気と闘っている子供達を助けてください。

【骨髄移植を待つとは】
今いる小児病棟でも年間に10例以上の骨髄移植が行われるそうです。 骨髄移植を待つとはどういうことでしょうか。これまでは考えたこともありませんでしたが、現実は以下のようなことでした。 多くの血液の病気では正常な血が作られなくなっています。血液の成分には大きく、赤血球、血小板、白血球があります。 このうち赤血球と血小板は輸血により補うことができます。補うと言っても週に1回〜2回も輸血をしなければなりません。 ほぼ毎日血液検査をして血小板が1万から2万に下がると次の輸血をします。 輸血で維持できるものはまだいいですが、問題なのは白血球です。白血球は完全に個人のものですから補うことができません。Emiriの場合は測定限界値以下に下がっています。 つまり白血球が無い状態ですから感染症を治す力が極端に弱っています。日頃だと問題にならない細菌にも感染してしまい高熱が出たりします。Emiriはこの一月の間に40度近い熱を3度も出しました。 細菌は抗生物質で抑え込むことができますが、ウィルスに効く薬はほとんどありません。ウィルス感染は自然治癒しかないのにそのための白血球が無いのです。 血液の病気と戦うとは赤血球、血小板を毎週輸血しながら、大量の薬をのんで感染症を予防しながらもそのリスクにおびえつつ治療を続けて行くことです。 まさに綱渡りの状態なのです。骨髄バンクで適合者が見つかっても骨髄バンクのコーディネーターと呼ばれる人が ドナーと接触して移植をお願いし実際に移植が行われるまでに平均4ヶ月も待つそうです。その間も綱渡りの日々は続きます。これが骨髄移植を待つということの現実でした。

【骨髄移植とは】
一口に骨髄移植で根治といってもそう容易いものではないのも事実です。骨髄移植にもリスクがあります。HLAの型が完全一致の場合で成功率は8割から9割、やむをえず少し違ったHLAからの 移植だとかなり成功率が下がるそうです。ですから骨髄バンクにより多くの人が登録されていることは非常に重要なことです。それだけ完全一致のドナーが見つかる確率が高まるからです。 完全一致であったとしても移植は容易くはありません。再生不良性貧血のようながん細胞が無い場合でも致死量の抗がん剤を2週間投与して自らの骨髄細胞を根絶した上で移植しなければなりません。 大人でも音を上げる抗がん剤を使わなければならないのです。加えて移植前後には強力な免疫抑制剤が投与されます。副作用もかなりのものです。副作用を抑えるために今度は大量のステロイドが 使われます。そしてステロイドの副作用を抑えるための薬も投与され、まさしく薬漬となります。それでも多くの人が骨髄移植で治っているときかされるとこの治療に希望を託さざるをえません。

【小児病棟のこと】
血液の病気は比較的長期の入院になってしまいます。Emiriの場合、劇症肝炎でも2ヶ月で退院できましたが、今回の病院では1年以上も入院している子もいます。 病院内には院内学級があり、子供達はベットの上から院内学級に通います。9時から11時までが午前の部、食事をとって13時から15時が午後の部です。専属の先生が数名いらっしゃり宿題もでます。 子供達の体調にあわせて授業を行い、学級に行けない場合ベットサイドで個別に授業もしてくれます。 学校が終わってベットにもどれば親が面会に来ています。面会は午後3時から8時までに制限されており、 面会時間以外はたとえ小さい子であってもお母さんに会うことができません。8時の面会終了時にはあちこちでお母さん帰らないでという泣き声が響きます。 出口では泣きながら帰る親達の姿があります。一日で一番つらい時間帯です。これが毎日毎日繰り返されます。
子供達にとって病院が生活の舞台になっています。 かといって小児病棟が重苦しい雰囲気かというとそうでもありません。夏休み期間中は院内学級も休みですが、夕涼み会があったりお楽しみ会があったり、ドックセラピーと言って わんちゃんが訪問にきてくれたりします。なんといっても子供達ですから、歩き回れる子は廊下やナースステーションに出て遊んでいます。笑い声と泣き声、それらが入り交じったのが小児病棟です。
Emiriは4人の大部屋に入っています。前の病院が2ヶ月間個室だったのと比べるとだいぶ生活が異なります。Emiriも入院して一月が経ちだんだん慣れてくるとこれは一種の寄宿舎生活のようなものだと思うようになりました。病気を治すための全寮制の学校みたいなものです。 ハリーポッターの学生寮のようなものだと思うことにしたら少しはここの厳しい規律がきにならなくなりました。さすが子供達は臨機応変に寄宿舎生活を送っています。
小児病棟では闘病中の子供達はもちろんのこと親達も頑張っています。すべてを犠牲にして来る日も来る日も面会に訪れます。 本来だったら家族で遊びに行ったり、お稽古ごとに連れて行ったり、たまには一人でショッピングにいったり、そんな日常をすべて放棄して子供のために病院に通います。土曜も日曜も関係ありません。 平凡な日常は実は奇跡の連続であることをこんなところから感じます。 病院では検査結果を聞かされて一喜一憂します。子供が元気に退院しない限りこの肩の荷が下りることはありません。どのようなしんどいことがあっても子供が回復に向かうことだけが唯一の薬です。 なぜこのような境遇にいるのか考えてもきりがありません。ただただ回復を祈って自分にできることをやるだけです。親達も本当に頑張っています。まだ入院一月のEmiri家は先輩お父さんお母さん達に頭がさがることがいっぱいです。

【EmiriSystemにできること】
Emiriが誕生以来お世話になっているこのEmiriSystemに今できることを考えました。少しでも多くの人に骨髄バンクに目を向けてほしいという思いで、 「EmiriSystem ドナー登録会員」というのを考えています。骨髄バンクドナー登録で3年間サポート会員相当になるというものです。 今Emiriパパにできる最大限のことです。どうかこの機会にまず 骨髄バンクにアクセスしてみてください。時々気にしていても忙しい日常を送っているとついつい後回しになります。 今一度立ち止まって今このときも骨髄移植をまっている子供達がいることを考えてみてください。そして行動を起こしてください。  今行動すればEmiriをはじめ移植を待っている子供やその家族に希望を届けることができるかもしれません。  Emiriパパもこうなるまで骨髄バンクのことなど考えたこともありませんでした。今回は日記の力を借りて骨髄バンク登録を促します。  どうぞお知り合いや育児サークル、幼稚園や保育園を通じて骨髄バンクとドナー登録会員を話題にしてください。  TwitterやSNS、ブログでも取り上げていただければ幸いです。 どうか骨髄バンクへの登録、宜しくお願いします。

最後に、骨髄バンクでは提供者の方に多くの負担をお願いします。その善意に心から感謝します。いくらお礼を言っても足りません。 そうでなくても、すでにEmiriはほぼ5日に一回の割合で輸血しており、献血されたたくさんの人たちの善意で文字通り助けられています。 その他にも献身的に治療してくださっている病院の先生、スタッフの方々、院内学級の先生方、多くの人たちに支えられています。感謝しています。ありがとうございます。

本件に関するお問合せは、papa@emiripapas.comまでお願いします。

 ※ここに記載した小児病棟の様子、治療の方法などはあくまでEmiriパパの主観によるものです。病院、病状によって大きく異なりますのでご了承下さい。

本件に関する臨時の掲示板を開設しております。
これまでもたくさんの励ましの言葉ありがとうございました。
もし何か情報をお持ちの場合やメッセージがありましたら宜しくお願いします。

劇症肝炎発症時の様子はこちらに記しています。
再生不良性貧血時の様子はこちらに記しています。


 

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